今回の記事は、妊活カップルの、妊娠しやすさに最も影響を与える指標は何か???というテーマです。
年齢やAMH(卵巣予備能:推定の卵子在庫数)だと思っている方が少なくないと思います。
いきなり答えを示してしまいますが、女性が35歳までであれば、周期あたりの妊娠率に影響するのは、年齢でも、AMHでも、BMIでもなく、性交回数だけであると妊活カップルを対象にした東京大学の研究で明らかになりました。
年齢や卵巣予備能、BMI、性交回数と周期あたりの妊娠率の関係を検討すべく、女性80名を対象に実施された研究です。
結果は、妊娠率に影響したのは性交回数だけでした。
妊娠率を上げるために確固としたエビデンスは、セックスの「タイミングをあわせる」ことではなく「回数を増やす」ことだけなのです。
どれくらい確率が高くなるのか
セックスのタイミングや回数が妊娠率にどのように影響を及ぼすのかを調べた研究では、毎日、セックスを行っているカップルの周期あたり(一般的には28日前後)の妊娠率は33%、それに対して、週1回では15%と下がっています。
この調査では、性交の質は取り上げていませんが、お二人のコミュニケーションの延長線上になるような、心の鎧を取り去った性交が出来ている場合は、女性のホルモン分泌もより盛んになり、良質の卵子や良質の子宮内膜を作ることができるようになります。
性交が義務になってしまっていたり、性交痛などの症状を我慢している場合は、なかなか子宝に恵まれない場合も起きてきます。日本人は、コミュニケーションの方法を正式に学んでいない人が多いので、良かれと思って、悩みを一人で抱え込み、我慢するパターンが多くなる傾向を持っていますが、本当は、事実を事実として認めて、それを価値判断なしに、相手のせいにせずに伝えあうことができると、その分だけ心の鎧を脱ぐことができるので、妊娠に近付きます。
お父さん、お母さんの、コミュニケーションがうまくいっていないと、将来生まれた子供との間のコミュニケ―ションだけが上手くいくはずがなく、子供の心の中に様々なトラウマのエネルギーを残し、それがその子の人生の中で、人間関係作りに苦労する種になったり、病気の原因になったりします。
コミュニケーションの方法に関して、お悩みがある場合も、その方法をご夫婦に対して(まずは個人でというのをご希望であれば、マンツーマンで)アドバイスをさせて頂きます。
(※お電話で、026-239-6767、もしくはLINEからのメッセージなどでお問い合わせ下さい。ホームページからのお問い合わせや、ご予約のページをご利用いただいても結構です。)
さて、話を元に戻しましょう。
実は男性の精液というものは、36時間で精子の量が元に戻ると言われていますが、濃いけれど久々の射精によって採取できた精液と、1時間以内に立て続けに射精した精液を比較して、どちらの精液に妊娠力が高いと思われますか???
禁欲して、力がみなぎり、精子が濃い精液の方が妊娠力が高いのではないかと、ほとんどの人が思いがちです。
しかし、人工授精で採精し、その際に2回続けて(1時間以内に)採精し、2回目の精液で使ったところ平均の妊娠率が3倍になった研究報告がなされています。

1回射精させ、続けて(1時間以内に)もう一度射精させて採取した精液の方が、最初の精液より3倍、妊娠率が上がるんです。びっくりですね。なので、35歳以前の女性であれば、そして男女共に、特にどこかに子供ができにくい要素を抱えていないならば、タイミングなど気にしないで、性交の回数で勝負した方が、3倍以上の妊娠率になるということです。
性交の回数など、まさにプライベートなことなので、各々のご夫婦が幸せであれば、回数などどうでもよいのですが、精液の妊娠能力に関する誤解が、かなり存在すると思われますので、より高い妊娠率にするには、精液をためすぎない性交回数があった方が、妊娠により早く近付きますという報告でした。