妊娠中の「オメガ3」が産後の愛情深さに関係?富山大学の研究から見えたこと

「妊娠中の食事って、赤ちゃんの成長に大事」とよく言われますよね。
でも今回、富山大学などの研究チームが “ママの心の状態” にも関係する大切な栄養素 を明らかにしました。

それが オメガ3脂肪酸(オメガ3 PUFA) です。
サバ、イワシ、サンマ、亜麻仁油などに含まれるあの栄養素です。


目次

オメガ3が「赤ちゃんへの愛情(ボンディング)」を助ける?

研究が注目したのは “ボンディング(母子の愛着形成)” です。

  • 赤ちゃんがかわいい、守りたい
  • 泣いたら助けたい、抱きしめたい

こうした自然な気持ちが育つことを指します。
ボンディングがうまくいかないと、産後の不安や育児ストレスにつながることもあります。

今回、富山大学の研究では
「妊娠中にオメガ3を多くとっていた人は、産後のボンディングが良好」
であることが分かりました。


9万人以上の妊婦を対象に調査

研究チームは全国規模で行われている「エコチル調査」に参加した 9万1147人の妊婦さん を対象に調査を行いました。

調査の流れはこんな感じ👇

  1. 妊娠中期に、食事アンケート(FFQ)を実施
    → オメガ3や魚の摂取量を計算
  2. 産後1か月・6か月に「赤ちゃんへの気持ち質問票」で評価
    • 赤ちゃんが可愛いと思えるか(母性感情)
    • 育児への不安の強さ
  3. それらを統計的に分析して関連性を評価

結果:オメガ3を多くとった妊婦ほど「産後の愛情・育児の安定度」が高い

結果はとても明確でした。

  • オメガ3摂取が最も多いグループのママは、最も少ないグループより…
    • 「赤ちゃんへの愛情不足」が少ない
    • 「育児不安」も低め
      産後1か月・6か月、どちらでも良好な愛着形成が見られた

魚の摂取量より、
「オメガ3の量」そのものの方が愛着形成と強く関係していた
という点も興味深いポイントです。


なぜオメガ3が心に効くの?

オメガ3は “脳と心の栄養素” とも呼ばれています。

  • 脳内の神経伝達に関わる
  • ホルモンバランスを整える
  • 情緒の安定に関係する

妊娠中にしっかり摂ることで、
産後のメンタルヘルスにも良い影響がある可能性 が示されています。


産後うつの予防にも期待?

今回の研究は
「オメガ3摂取は 産後うつ育児不安 の予防にも役立つかもしれない」
という可能性を示しています。

妊娠中の栄養が、赤ちゃんの体だけでなく
ママの心の健康にもつながる
という点は、とても大切ですよね。


研究の限界も紹介しておきます

研究チームは、次の点も注意が必要だと述べています。

  • 食事アンケートなので、実際の摂取量には誤差がある
  • 愛着の評価が自己記入式で主観的
  • 日本の魚食文化が背景にあるため、海外への一般化は慎重に
  • 今後は血中のオメガ3測定や、より厳密な試験が必要

とはいえ、9万人以上という大規模調査で一貫した結果が出たことは非常に価値があります。


妊娠中にどんな食品からオメガ3を取れる?

普段の食事で取り入れやすいオメガ3源はこちら👇

  • 青魚(サバ、イワシ、サンマ、アジ)
  • サーモン
  • えごま油・亜麻仁油
  • くるみ
  • チアシード

魚が苦手な方は、えごま油や亜麻仁油をサラダにかけるだけでも◎


まとめ:妊娠中のオメガ3は「赤ちゃんの脳」と「ママの心」を守る

今回の研究からわかったポイントは以下の通りです。

  • 妊娠中のオメガ3摂取量が多いほど
    産後の愛着形成が良い
  • 育児不安が減り、ママの心の安定にもつながる可能性
  • 魚そのものより「オメガ3の量」が重要
  • 妊娠中の食事は、赤ちゃんだけでなくママのメンタルにも影響する

「どんな食事をとるか」は、妊娠中にできる大切なセルフケアのひとつ。
無理のない範囲でオメガ3を意識してみると、産後の生活がぐっと楽になるかもしれません。

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